第300号  29年8月号  長井 一彦

 今年は夏のはしりから猛暑となりまして、順調と思いきや梅雨入りと同時に前線停滞により北九州地方を始め、各地洪水等による大被害をもたらしました。また、秋田県でも大雨による大きな被害を受けました。被災されました皆様に深くお見舞いを申し上げます。

 さて、15年程前に皆様に聞いて頂きました私の暑いふるさと新潟の思い出話です。
 昭和39年の台風による被害そして41,42年水害による壊滅的な状態の中での事でした。10年間休演しておりました市の文化財に指定されております「神楽舞い」をお祭りに是非やりたい、若い連中に奮い立たせてほしいと、村の長老たちに相談。「待っておった、皆で頑張ろう」となりました。43年春、田植えを終えてから「神楽舞い」の練習に入りました。剣を持って4人での「獅子舞い」から「神楽舞い」手を取り合いながらも、笛は吹けず、太鼓もままならずの状態でしたが、老いも若きも頑張ったのでした。

 9月6日、例祭神社での奉納舞いを大勢の皆さんに喜ばれ歓喜に沸いたのを覚えております。翌日は一軒ずつ屋敷で五穀豊穣と無病息災、安全を願いながら踊り、お神酒を頂くのです。暑い所でのお酒、若者連中は酔いつぶれる有様です。老若男女団結し目的を達成した喜びを全員で分かち合いました。その時何故か溢れ出るものが止まりませんでした。「秋田の八郎潟へ入植する夢を果たすために」私には初めてで終わりかも知れない、そんな暑い夏の事でした。

今年も故郷を思い祭りに行きたい…友と飲み、若かりし頃の話が懐かしく恋しく感じます。父も母も嫁も黄泉へ旅立ち、倅と二人で営農しておりますが、これからも皆様にご指導を仰ぎながら頑張る所存でございます。どうかよろしくお願い致します。

今月の一句
可愛さや そそと揺れたり 稲の花