第299号  29年7月号  大川 澄雄

 何時もいつも「こまちの里」をご愛顧頂き誠に有難うございます。
 皆様におかれましては、お変わりなくお過ごしの事と存じます。これから、真夏日に向かう事と存じますが、どうか、風邪などお召しになりませんよう、お気を付け下さいませ。
 さて、今年の北国の気温でありますが、あまり上がらず肌寒い日が続いておりまして、過ごすのには大変助かりますが、稲の生育と申しますとイマイチ生育が遅れがちでございます。暑い地方の皆様には大変申し訳なく思いますが、もう少し暑さが欲しい、爽やかな気候に戻って頂きたい、そう願っている昨今でございます。

 今の大潟村の風景と申しますと、「あっ・・青田に小さな世界がぁ・・・」あんなに小さく、寒さ、そして村特有の風に悩まされておりました早苗たちも、おっとどっこい、しっかり根を張りまして目に沁みる青田の季節を迎えました。まだ薄暗い時刻、ライトを点して田に向かいます。しばらく致しますと、しとどに露に濡れていた早苗たちに自然の大事な贈り物「太陽の光り」ご来光です。まだ山の端を切る頃は真っ赤な太陽ですが、すぐ眩しくなる程の光りを放って早苗たちを照らし出します。
 そして、葉先にいっぱい付いている露がまるで宝石をちりばめたようにきらきらと輝きます。僅かの間でありますが、とても綺麗な瞬間です。そして、ぽとぽと水面に落ちる訳です。その音が微かではありますが、耳をすますと聞こえるんですね。まるでおとぎの国みたいな小さな世界を見る醍醐味の時でもあります。

 緑と草花に包まれた干拓地とは思えない干拓地・・・・。
 村が誕生致しましてまだ五十数年、湖に取り巻かれるこの干拓地にどこから飛んできたのか、その樹木、草花の多いこと、普通見ただけではこれが干拓地なのか見当も付きません。もう見事な草花の彩り、まるで大草原であります。びっくりするほどの樹木の種類、咲き乱れる草花、それに爽やかな空気、1万2千町歩の広大な田園は今まさに旬、目に染みる青田の季節でございます。
 また昔の「八郎潟」に堤防を築き、干陸した土地でございますので、その堤防に行ってみますと、昔の湖畔の名残を留めた「むらさきあやめ」がひっそりと、かの八郎潟を懐かしむかのように咲いておりました。

 そんな干拓地の夏・なつ・な~つ・・・。
 そんな干拓地の村にも夏盛りが訪れました。やはり真夏の行事と申しますと、故郷を懐かしみ、その祖先の供養も兼ねた「盆踊り」でありましょうか。昔は本当に賑わったものでした。でも日本全国からの入植者も大分減ってしまいまして細やかであります。でもこの機会に故郷をもう一度思い出して体の利かなくなった身ではありますが手足だけでも動かして故郷を偲んで踊って見たいと思っております。それと同時に久しく帰っていない故郷に帰ってみようと無性に思っているこの頃でございます。

今月の一句
 かの母は 棚田に在(おは)す 夢の中