こまちの里だより 一覧

第123号  14年12月号 (太田 稔)

「彼女は魔物よ、俺らの心を読んで優しく微笑んだり、まるっきり そっぽを向いたり、時には暴力的に挑んだり、肢体を翻して見せつけたり、俺にはまだあいつの心がさっぱり読めねえ・・・」彼はそう言うと眉間に皺を寄せ、煙草の煙りをゆっくりとゆるがし、水平線に消えかかる夕日を見つめながら、寂しそうに呟いた。

 泳ぐ事だけに生まれてきたような彼女の肢体には一切の無駄もなく、そのスピードは、時に時速160kmにもなるという・・・それは、誰しもよく知るクロマグロである。
 仕事の関係で知り合…

第122号  14年11月号 (清野 道義)

 青く茂っていた道路脇のポプラ並木の葉も全て枯れ落ち、木枯らしが寂しさと寒さを一層引き立て、初冠雪の便りと共に冬将軍の足音がすぐそこまで近づいて参りました。

 最近、自分の中で月日の過ぎて行く速さが変わりました。坂道を転がるボールのように加速をつけて、時間が過ぎ去って行くように感じられるのです。私たち「こまちの里」も10年を過ぎ、その頃幼稚園だった長女が高校生になり、2人だった子供も4人に増え、今でも子供達と奮闘の毎日を送っています。
 そんな我が子供達の近況を少々。近…

第121号  14年10月号 (長井 一彦)

小雨降る鉛色の空の下、男鹿半島にそびえる寒風山に見送られながら、 私は一路新潟まで車を走らせていた。その6時間有余の中、車窓に映る 景色など目にも入らず、ふと気付くと口からは、いつものフレーズが壊れた蓄音機のように繰り返されていた 「♪思い出の夜は 霧が深かった 今日も霧が降る 万代橋よ....」"柳と水郷の都、新潟"そして"霧の都、新潟"その哀愁の唱歌、新潟ブルースである。
 
 新潟は私の故郷。今でこそ様々な高層ビルが乱立し、緑地帯が設けられ、清楚に刈り込められた街路樹が整然…

第120号  14年9月号 (大川 澄雄)

 先日、社内研修で秋田新幹線「こまち号」に初めて乗車致しました。仙台駅に着きますと二階建ての新幹線、もうびっくり!...いかに新幹線に無知なのか思いっきり恥をかいた次第でありました。ふとそんな時、遠い昔を思い出したのでした。遥かな山間をぬって白煙を吐きながら走る列車、まるでマッチ箱を連結したような、手をふると「ぽぽー」と答える汽車。まるで走馬灯のように...。

 熊本県から鹿児島県の高校へ通学していた私は、このSLローカル列車と共に3年間を過ごしたのでした。「トンネルを抜け…

第119号  14年8月号 (早津 一仁)

 みなさん、こんにちは。お元気でしょうか? 夏バテ気味の方はいませんか? 私の夏バテ対策は、「冷えたビール」と枝豆を筆頭とする豊富な「自家製夏野菜」でしょうか。そして何と言っても、この炎天下での農作業ですので、適度の水分補給と十分な睡眠時間が必要です。ある日の夜の会合のあとで、ついつい宴会の話題につきることなく午前様の帰宅でした。飲み過ぎではありませんが(?)睡眠時間3時間では、この暑さの中では体が持ちませんでした。(不摂生に大反省です。)……子ども達にも怒られた「おやじ」で…

第118号  14年7月号 (太田 稔)

 薄暗い小屋の中、一筋の糸を辿るとそこには四方に張り巡らされた 魔法陣とでもいうべきあまりにも完璧で芸術的な巣が形成されており その中心に居座る黄と黒の、いかにも危険信号の如く鮮やかな横縞のくびれた肢体に小さな、しかし強靭な顎を怪しく動かしながら静かに獲物を待つ。そんな彼女は通称女郎蜘蛛と言われ、蜘蛛の代名詞的な存在ではある。
 けれど、その女郎蜘蛛の雄はというと、その存在には誰も気にかけないというより、誰にも気付かれないのかもしれない。 しかしそこには、しれつな闘いがある。…

第117号  14年6月号 (清野 道義)

  いつも「こまちの里」をご利用いただきまして、誠にありがとうございます。皆様方におかれましては、益々ご健勝の事とお喜び申し上げます。 道路脇の木々は一層緑が深まり、5月に植えました苗たちはグンと生長し、また一段と緑が映え渡っています。ついでに畦畔(あぜ)に生えてしまう雑草たちも大きくなっていて、今の大潟村は右を見ても左を見ても緑一色で、梅雨入り前の穏やかな良い季節です。
 さて、4・5月の春の農繁期も一段落いたしまして、今では子供のクラブ活動や野球の審判などに、あちこち走…

第116号  14年5月号 (長井 一彦)

  温暖な日々が続き、季節の先走り感がありますが、いかがお過ごしでしょうか。 「あきたこまち」の種まきを4月中旬に無事終え、その後は、ハウス内の温度管理などで日々おろそかに出来ず、桜の花見も出来ないほどに田起こし、代かきと休まる日がありませんでした。間もなくすると、丹念に育てた「あきたこまち」の早苗たちの田植えが始まり、家族総出の忙しさとなります。

 それにしても時の流れは早く、この八郎潟の干拓地で迎えた春も三十余年、日が昇り萌えるポプラ並木に陽が入る時刻になれば、トラクタ…

第115号  14年4月号 (大川 澄雄)

 長かった雪の里にも終わりを告げ、いよいよ春爛漫を迎える頃と なりました。今年は暖冬のせいでしょうか、雪もいち早く去って行き ました。遥か彼方には雪嶺が千切れんばかりに陽炎に揺らいでいる、その様は本当に季の移ろいを感動させる日本ならではの光景なのでしょうか。そして山々の雪解の水が、やがては川にそそぎ瑞穂の里へといざなう。そう考えます時、自然の四季の中に生かされている私達、本当に有難く、敬虔に思わずにはいられません。

 それにつられまして、私共も忙しい時期に入りました。健苗そ…

第114号  14年3月号 (早津 一仁)

 半年ぶりの筆無精をどうぞお許し下さい。いつもお世話になりまして、本当に有難うございます。早津家一同こころより感謝・感謝です。

 感動冷めやまぬ、ソルトレイクのオリンピックが大きなトラブルや事件もなく、無事終わりました。世界中の注目をブラウン管に釘付けにし、感動と興奮、そして喜びを与えてくれた選手たち、関係者の皆様、本当にご苦労様でした。わが郷土・秋田が生んだオリンピック選手・「高橋大斗」「小林範仁」ご両人は、立派に活躍してくれました。3月はパラリンピックに声援を送りまし…